あなたにはこんなお悩みはありませんか?
この記事を読めば以下のことがわかります。
- 半導体エンジニア・半導体業界人に英語が求められる理由
- 半導体エンジニア・半導体業界人が英語を身につけるメリット
- 半導体エンジニア・半導体業界人に求められる英語力
- 英語力を身につけるための複数の選択肢の獲得
それでは一つ一つご説明していきます。
半導体エンジニアに英語が必要な理由
最新の技術情報、ビジネス情報は英語で発信されるため
半導体業界は、世界規模で盛んに投資が行われ、研究・開発が進んでいる業界です。
その成長速度は凄まじく、日々新たなニュースが「英語で」世界中を飛び待っています。
「あの企業がこの国に新しい工場を建設するらしい」
「あの大学が新しい半導体材料を研究し、目覚ましい成果を上げたらしい」
こういった半導体の最新情報は日本語ではなく、「英語で」発信されます。
タイムリーに最新情報を獲得するためには、英語を読む力、聴く力といった情報収集能力が重要になってきます。
さらに、権威のある技術論文誌も基本的に英語です。
日本の大学の研究者や企業の研究者も英語で論文誌に寄稿して、論文誌の狭き門をくぐり抜けて、論文誌に採択され自身の成果を世界にアピールします。
最近は、Google翻訳やDeepLをはじめとした翻訳ソフトが充実していて翻訳精度もあがってきていますが、翻訳の時間と手間がかかることに変わりはありません。
このようなときに、英語スキルを身につけておくとストレスなく、タイムリーに最新の英語ニュースや英語論文から情報を得ることができます。
半導体工学は英語で作られた学問であるため
そもそも半導体トランジスタの研究が初めてなされたのは、アメリカのベル研究所です。
アメリカということは、言語は英語です。
アメリカで基礎研究がなされていますので、最初の半導体用語も基本的に英語です。
トランジスタ(transistor)も英語、トランジスタの端子の名前もソース(Source)、ゲート(Gate)、ドレイン(Drain)などすべて英語です。
つまり、半導体工学は英語で作られており、我々はそれを翻訳して理解している、ということになります。
それを踏まえた上で、英語に関するスキル、素養を身に着けておくとどうなるか。
たとえば、さきほど取り上げたソース(Source)という英単語があります。
これは「源」という意味の英単語ですが、半導体のトランジスタでは「電子が供給される源」の端子をソース(Source)と呼びます。
半導体を学んでいく上で、単純にソースと頭に入れるのではなく、英語の意味を押さえておくと、「電子が供給される源だからソース(Source)という名前なのか」といったように理解がスムーズに進むと思います。
日本の半導体関連企業の海外売上比率が高いため
日本の半導体関連企業のなかで、世界的に存在感があるのが「半導体製造装置」と「半導体材料」の2分野です。
半導体製造装置では東京エレクトロン社やディスコ社を筆頭に、世界的に競争力の高い会社が多くあります。
また、半導体材料では半導体の母材となるシリコンウエハーで世界シェア1位の信越化学工業、世界シェア2位のSUMCOなどの日本企業は世界的に大きな存在感を示しています。
半導体上に微細パターンを描くときに使用するフォトレジストという素材では、日本企業の東京応化工業、JSR、信越化学工業が高い世界シェアを持っています。
これらの日本企業に共通していえるのが、海外売上比率の高さです。
いずれの企業においても日本国内売上比率よりも海外売上比率が高く、海外で大きく稼いでいることがわかります。
海外で信頼を獲得し、長期的に利益を上げ続けるためには、綿密な企業間コミュニケーションが求められるはず。
円滑なコミュニケーションを実現するためには、やはり英語スキルは強く求められるスキルの一つといえるでしょう。
半導体エンジニアが英語スキルを身につけることのメリット
理系職種である半導体エンジニアには、理系的な思考力や分析力、設計力などが求められます。
さらにそこに英語スキルをプラスすることで、エンジニア・キャリアの選択肢を広げ、より大きなメリットが期待できます。
ますますグローバル競争が加速する半導体業界で勝ち抜くために、エンジニアが英語スキルを身につけることで得られるメリットを紹介します。
海外との英語会議で臆することなく発言できる
オンラインミーティングが定着した昨今、海外の取引先との英語会議の機会もどんどん増えていくことが予想されます。
オンラインミーティングができるため、より頻繁に、より密に海外取引先とコミュニケーションがとれるのは、企業側にとってもメリットだと思います。
そこで重要なのが英語の聴く力(リスニング力)と話す力(スピーキング力)です。
相手の英語をきちんと聴き、正確に解釈して、シンプルな理解しやすい英語で話す、という英語スキルがあれば、英語での会議でも臆することなく発言できるでしょう。
取引先とのやり取りは営業部門が取り仕切ればよい、という考えもあるかもしれませんが、エンジニアが直接英語でやりとりできると心強いはずです。
細かい設計の話や技術の話は、やはり直接エンジニア同士で会話し、誤解がないように話を進めることに越したことはありません。
職場での居心地がよくなり、ポジションアップにつながる
職場で英語スキルがあり、英語スキルを活かせる職種につくことができれば、それだけで職場での居心地がよくなり、ポジションアップに繋がる可能性があります。
なぜなら、多くの日本人は英語にコンプレックスをもっているからです。
「英語は苦手なんだ…」というコンプレックス意識を持っていて、自信を持てていない人が一定数います。
そういう人が英語で困っている場面で、自分の英語スキルを活かしてサポートする、助けることができれば、確実に同僚から感謝されます。
上司や部下からの信頼も厚くなるはずです。
英語といえば、この人、というポジションを獲得できれば、英語で頼られる機会が多くなり、職場での居心地がよくなることが期待できます。
人から頼られるというのは意外といいものです。
こういったことを積み上げていけば、技術もわかり英語もできる価値の高い人材と評価され、職場での待遇アップにつながる可能性も十分に見込めるはずです。
英語の論文・文献やニュースから最新情報を収集できる
英語スキルがあれば、英語の論文・文献やニュースから最新情報を入手することが可能になります。
有力な論文誌というのは、基本的に英語です。
半導体メーカーのグローバルリーダー企業はアメリカのIntel社など海外勢が中心で、最新のプレスリリースももちろん英語で発信されます。
また最新の情報が発表される国際学会などは基本的に英語で発表・議論が行われます。
日本語に翻訳されておらず、日本では販売されていない英語の文献なども、英語スキルがあれば読んで理解することができます。
もちろん翻訳ソフトを活用してもいいですが、そこにはやはり時間と手間がかかります。
英語スキルがあれば、タイムリーに最新の質の高い情報を手に入れることができます。
これは一人のエンジニアとして、ビジネスンマンとして大きなメリットではないでしょうか。
彼を知り、己を知れば、百戦して殆うからず ― 孫氏
海外で働く可能性が広がる
高い英語スキルがあれば、海外で働く可能性が広がります。ビジネス英語だけでなく、海外諸国の宗教への理解や文化への教養も求められ、海外事業を円滑に拡大していく役割となるはずです。
つまり非常に重要度が高いポジションです。
そのため競争率も高い。
日本企業では出世のために海外法人での業務経験を重要視している企業もあると聞いたことがあります。
現在は日本国内だけでなく、M&Aなどで海外企業も買収し、グループとして拡大を測っている大企業が多い中、企業幹部となる人材は海外での業務経験が求められるのではないかと予想できます。
実際の海外での業務経験は、日本国内だけでは得難い経験がきっと多いはず。
お金の面でも赴任手当があったりと会社からの手厚いサポートも期待できます。
会社に採用されやすくなり、就職や転職に有利
半導体エンジニアとして就職・転職する際、高い英語スキルを保有していると有利に物事が運ぶ可能性が高まります。
少子高齢化が進む日本では、日本企業は生き残りをかけ、今後ますます海外売上比率を高めていく選択肢が濃厚かと思われます。
そのためには、英語スキルを持った社員を採用したいというのが正直な気持ちではないでしょうか。
日本企業の採用活動では新卒採用、中途採用ともにTOEIC®スコアの提出が求められることがあり、英語スキルの判断基準として活用されています。
また外資系企業の場合も、勤務地が日本の場合でも高い英語スキルを採用条件の一つとして提示していることがあります。
TOEIC®スコアを指標する企業もありますが、「英検®1級」なども自身の高い英語スキルを証明するために役立ちます。
半導体エンジニアに求められる英語スキルは?
TOEIC®700以上が一つの目安
英語スキルはTOEIC®(トーイック)だけで測れるわけではありません。
しかし多くの日本企業ではTOEIC®スコアを英語スキルの判断基準として活用しています。
理由はTOEIC®がビジネス英語を専門にした英語試験だからです。
TOEIC®と似た名前の英語試験に「TOEFL®(トーフル)」があります。
TOEFL®はアカデミックよりの英語試験で、海外の大学生活で求められるアカデミックな英単語力(語彙力)などが求められる試験と言われています。
ビジネスの世界で考えると、即戦力として海外とオンラインミーティングをしたり、海外駐在したときにスムーズにコミュニケーションがとれるビジネス英語のスキルが求められるはず。
そのため、多くの日本企業ではTOIEC®スコアを指標にしています。
TOIECの最も典型的な試験はリスニング、リーディングの2種類の英語力を測る試験です。
リスニング(聴く力)495点、リーディング(読む力)495点、満点990点の試験となります。
毎年複数回開催されており、TOEFL®よりも受験料が安いのもTOIEC®の特徴です。
TOEIC®700点以上がビジネス英語レベルと世間では認知されています。
英語資料やドキュメントがスムーズに理解できたり、口頭で英語でのやりとりができるレベルと言われています。
TOEIC®800点以上あれば、昇進や海外赴任、転職などで武器となるレベルといえます。
まずはTOEIC700点以上を目指して英語スキルを高めるのが吉だと思います。
半導体エンジニアにおすすめの英語勉強法
市販の英語教材で学ぶ
TOEIC®には公式問題集が市販されているので、TOEICを受ける際には活用することをおすすめします。
私もTOIEC公式問題集と付属のCDを活用することで、TOEIC400点台から795点までスコアを伸ばすことができました。
また、英語を学ぶ上で欠かせないのが、単語力(語彙力)と文法知識です。
単語力を強化するには市販の単語帳を買って、繰り返し単語を見直して、アプロプットしながら覚えるのがおすすめです。一見、地道で遠回りに見えますが、単語力を上げるためには一番の近道だと思います。
文法は、解説の詳しい参考書を買って読み込むのもおすすめです。
実際に購入した文法書はこちら。
市販テキストで英語を学ぶメリットは、体系的な知識を、本屋さんやAmazonや楽天市場などネットショップで気軽に手に入れられることです。
一方で、学生時代の英語学習と変化がなく、英語コンプレックスのある人にはあまりおすすめできない学習方法になります。
何事も楽しみながら取り組むのが一番です。
市販のテキストを使う以外にも、英語を学ぶ方法はいくらでもありますので、安心してください。
英語アプリで学ぶ
市販のテキストで勉強する人が苦手な人におすすめしたいのが、英語アプリで勉強するやり方です。
英語アプリを使うことによって、ゲーム感覚で確かな英語力を身につけることができます。
たくさんの英語アプリがありますが、おすすめしたいのはこちらのアプリ。
どれも無料でつかうことができ、アプリのレビュー数も多く評価も高いので信頼できます。
TOEIC公式アプリもあるので、TOEIC受験にはこちらの活用もおすすめします。
英語の漫画で学ぶ
あなたは漫画が好きでしょうか。
日本の漫画は世界的に人気があり、人気漫画のなかには英語に翻訳されて、英語版が発売されて作品もあります。
自分が好きな漫画の英語版を購入して読んでいると、自然と英単語力、英語の表現などを身につけることができるので非常におすすめです。
いちいち辞書で英単語を調べるのが面倒なときは、日本語の漫画を片隅において、同じシーン、同じページを英語版と日本語版で交互にみれば、スムーズに単語や内容を理解することができると思います。
これなら楽しみながら、英語をサクサク学習できるのでおすすめです。
ワンピースの英語版漫画は電子書籍(Kindle)ですぐに読むこともできます。
最近話題のスパイファミリーの英語版漫画もアマゾンのKindleですぐに読むことができます。
有名マンガの英語版をまとめた記事を作りました!
よかったらどうぞ!
英語字幕でドラマや映画を見て学ぶ
海外ドラマや海外映画(洋画)を楽しみながら、英語を学ぶのもおすすめです。
最近は月額定額制で海外ドラマや海外映画が見放題といったサービスがあるので、これを活用しない手はありません。
存分に英語教材として活用しましょう。
好きな俳優や女優、好きなドラマシリーズが見つかればコッチのものです。
最初は日本語音声でも、日本語字幕&英語音声で内容をおさえたあとは、英語字幕&英語音声で見ると、英語の字幕(文字)を見ながら、英語の音声を聞くことができるので、英語の学習効率がグンとあがります。
英語独特のリエゾン(つなぎ言葉)なども、音声だけではわかりづらいものですが、英語字幕があれば内容理解に役立ちます。
オンライン英会話サービスで学ぶ
最近は、オンラインミーティングツールやオンライン会議が社会に広く浸透してきた背景もあり、オンライン英会話サービスもおすすめの英語学習法のひとつです。
実際に英語圏で暮らす外国人と直接会話を重ねることで、着実に自信のリスニング力とスピーキング力を強化することができます。
英語は継続することが大事な学問なので、定期的に生の英語を聞き、話す機会を作ることが大切です。
継続するためには、料金が安いことが重要だと思います。
オンライン英会話サービスは、基本的にオフラインの対面式の英会話教室よりも料金が安いので、長期的に続けやすいのが良い点です。
あとは講師の空き時間さえあえば、自分の好きなタイミングで英会話のコマを入れることができるのも便利なポイントです。
デメリットは、人気講師の予約がなかなか取れづらいことくらいでしょうか。
対面式の英会話スクールで学ぶ
英語のスピーキング力を確実に高めたい方におすすめしたいのが、対面式の英会話スクールです。
対面式なので、オンライン英会話のように通信遅延(ラグ)がなく、ストレスなく英会話力、スピーキング力を伸ばすことができます。
さらにスクールの中にはマン・ツー・マンで対応してくれ、自分の英語スキルの弱点と効果的な英語スキルアップの提案をしてくれるスクールもあります。
オンライン英会話サービスだとなかなか難しいところにも、しっかり対応してくれる「かゆいところに手が届く」サービスが英会話スクールだといえます。
対面式の英会話スクールのデメリットは、校舎まで出向かなければいけないこと、比較的学習コストがかかることです。
短期集中で英語のスピーキング力を一気に底上げし、その後は独学で学ぶというような方にも向いているのが対面式の英会話スクールです。
能力が一緒で英語スキルだけに差があれば…
あなたが会社の人事採用の面接官だと仮定します。
一人だけ優秀な人材を採用したいと考えています。
採用する面接官にも、採用する側の責任が伴います。
会社にプラスになる人材を採用する必要があるためです。
仮に同じタイミングで、能力や経歴、年齢や家族構成がほぼ一緒の二人の人材が面接を受け、英語スキルにだけ差があったとします。
そのとき、あなたならどちらの人材を採用しますか?