「B」から始まる半導体用語をまとめて掲載しました。
半導体と言っても、電子回路や化学などの用語もあります。
不足している単語は日々更新していきますので宜しくお願いします。
「この単語ないな・・・」「この単語は半導体用語集に入れてほしい・・・」といったご要望がありましたら、お問い合わせフォームからぜひ宜しくお願いいたします。
B(Boron)
ホウ素(硼素)のこと。「B」とだけ表記されていてもボロンの元素記号なのでよく使われます。
半導体の世界では、ボロンは不純物の代表格で、めちゃくちゃ重要な原子です。
シリコンウエハーにボロンを注入・拡散させることで、P型シリコンにすることができます。
BD(Backside Damage)
半導体ウエハーの裏面側のダメージのこと。
BGA(Ball Grid Array)
BGAは、ICパッケージの一種で、パッケージからの引きだし用電極を、ハンダなどの金属を球状(だからBallという単語が使われています)にしてケース下面に格子状に配列したものです。表面実装型のパッケージの一種です。
BHF(Buffered HydroFluoric acid)
BHFとは、バッファードフッ酸のこと。
組成は、フッ酸(HF)/フッ化アンモニウム(NH4F)/純水(H2O)からなる混合薬液で、シリコンウエハーなどの洗浄や自然酸化膜(SiO2)の除去効果に用いられます。
BHFは液体なので、BHF洗浄はウェット洗浄に分類されます。
Bi-CMOS(Bipolar Complementary Metal Oxide Silicon)
Bi-CMOS(バイシーモス)は、同一のシリコン基板上に作り込まれた、バイポーラトランジスタ(コレクタ、エミッタ、ベースで形成されたトランジスタ)とMOSトランジスタ(ソース、ドレイン、ゲートで形成されたトランジスタ)の2つのタイプのトランジスタを組み合わせて構成された回路形式・構造のことです。
バイポーラトラン ジスタの「高パワー・低歪み出力」特性と、MOSトランジスタの 「低消費電力・高集積」特性を組み合わせることができるのがBi-CMOSの特徴です。
一方で、バイポーラトランジスタはMOSトランジスタより小さく作ることが難しいので、MOSトランジスタのみで構成したCMOSより、Bi-CMOSの集積度が落ちることになります。
また、バイポーラトランジスタとMOSトランジスタを一緒に作るので工程が増加、複雑化するので、どうしてもシンプルなCMOSよりもコストアップしてしまいます。
Bi-CMOSは、一部の高速ロジック回路、ミックスドシグナル信号処理などに主に用いられています。
BIST (Built-In Self Test)
BISTは、IC(LSI)におけるテスト容易化手法の1つで、組み込み自己テストとも呼ばれています。
LSI内部でテストパターンを発生させて出力判定を行うテスト方式で、内蔵メモリの自動テストなどに利用されることが多いです。
実動作速度でテストできるのでAC不良の検出も可能となる点がメリットといえます。
一方で、設計時間が長くかかる、チップ面積がアップする、などのトレードオフもあります。
BMD(Bulk Micro Defect)
シリコンウエハーの結晶に含まれる酸素(O2)は、適度な熱処理により析出し内部に結晶欠陥を作ります。
この内部にある微小欠陥のことをBMDといいます。
BMDは重金属などの不純物を捕獲・固定する働きを持つため、ICの電気的特性や信頼性や歩留まりを上げるゲッタリングサイトとして利用されることがあります。
BPSG (Boron Phosphorus Silicate Glass)
BPSGは、シリコン酸化膜(SiO2)中に数%のボロン(B)とリン(P)を添加した物質です。
BPSGの「BP」は、ボロン(Boron)とリン()、という意味なのです。
BPSGは比較的低温(<1000°C)で液化・流動化する(これを「リフロー性」と呼びます)ため、ICのアルミ配線下の平坦化層間膜材料として広く用いられています。
一般的にTEOS系CVD法でBPSGは製膜されることが多いです。
BPSG絶縁膜ですが、BPが添加されているので、普通のSiO2と比べて抵抗値は低めです。
BST(Barium Strontium Titanate)
BSTは、比誘電率が2200の強誘電体で、高性能キャパシタ用誘電体膜としての活用が見込まれる材料のこと。