半導体の会社分析

AMDの2024年初の基調講演について

皆様、アメリカのAMD社の2024年初の基調講演をYoutubeでご覧になられましたか?

2024/01/09にYoutubeで公開された基調講演の動画です。

動画は22分程度あり、すべて英語です。

簡単にまとめると、以下のような内容です。

  • AMDは、過去20年間にわたってPCにおける高性能コンピューティングを先駆けており、特に、マルチコアCPUやAPU、Zenアーキテクチャなどの重要な進化を遂げています。
  • Ryzen 7040シリーズで、x86プロセッサーに専用のAIエンジン(NPU)を初めて導入し、主要OEMから広く採用された。
  • AMDは、生成AI(ジェネレイティブAI)向けに世界最高のパフォーマンスを提供するInstinct MI300 GPUを発売し、Microsoft、Meta、Oracle、Hugging Face、OpenAIなどと共同で事業を行っている。
  • Ryzen 8040シリーズは、最大60%の高いMPUパフォーマンスを提供し、Zen 4 CPUコア、Radeon 700シリーズグラフィックスを搭載し、AIによるPC体験を再構築するために設計されている。
  • HP、Lenovo、ASUSとのパートナーシップにより、Ryzen 8000シリーズプロセッサーを活用して、消費者、ゲーマー、ビジネス向けに画期的なイノベーションを提供している。

上記の基調講演から、AMDがAI関連の半導体デバイスに注力していることがよくうかがえます。

APUとは何か?

基調講演のなかで、APUという単語が登場します。

APU(Accelerated Processing Unit)は、AMD(Advanced Micro Devices)が開発した統合型のプロセッサーチップです。

APUは、CPU(Central Processing Unit)とGPU(Graphics Processing Unit)を1つのチップに統合しており、高度な計算処理とグラフィックス処理を両方行うことができます。

APUは、主にパーソナルコンピュータやノートパソコン、ゲームコンソールなどのデバイスで使用されています。

GPUの統合により、グラフィックス性能が向上し、動画の再生、ゲームの実行、3Dグラフィックスなどのタスクをより効率的に処理できます。

また、エネルギー効率の向上も図られており、省電力で高性能な処理が可能です。

米AMD社と台湾TSMC社の関係

AMD(Advanced Micro Devices)とTSMC(台湾積體電路製造公司)の関係は、AMDが設計者、TSMCは設計されたものを製造する製造メーカーです。

TSMCは世界的に有名な半導体製造メーカーであり、AMDはTSMCを利用して、AMDのRyzenシリーズなどのプロセッサーを製造しています。

AI半導体ももちろんTSMCに委託して作っています。

AMDは、TSMCの先進的な製造プロセスを利用して、自社のCPUやGPUを生産しています。

特に、AMDの最新の製品は、TSMCの7nm、5nm、3nmのプロセス技術を活用して製造されています。

これにより、AMDは高性能かつ省電力な製品を市場に提供することができています。

両社の協力関係は、AMDが製品の開発と設計に専念し、TSMCが高度な製造技術を提供することで、両社の競争力を高めることができています。

この関係は、両社の成功にとって不可欠であり、今後も継続していくと考えられます。