「ソルダーレジスト」と「レジスト(フォトレジスト)」の違いをわかりやすく解説

「ソルダーレジスト」と「レジスト」。どちらも電子部品・半導体の製造に登場する材料ですが、その用途・材料・工程における役割はまったく異なります。本記事では両者の違いを丁寧に整理し、それぞれの特徴を解説します。
ソルダーレジスト(Solder Resist)とは
ソルダーレジストとは、プリント基板(PCB)の表面に塗布される保護膜で、はんだ付けの際に不要な部分にはんだが付着しないようにする材料です。「ソルダーマスク(Solder Mask)」とも呼ばれます。
ソルダーレジストの役割
- はんだブリッジの防止:隣接するランド(はんだ付け箇所)の間に誤ってはんだが橋渡しされる「はんだブリッジ」を防ぐ
- 基板の保護:湿気・ほこり・化学物質などの環境から銅配線を保護する
- 電気的絶縁:不要な短絡(ショート)を防ぎ、基板の信頼性を高める
- 外観の整え:基板の表面を緑色(またはその他の色)で覆い、製品としての見栄えを整える
ソルダーレジストの種類と形成方法
一般的なソルダーレジストは液状で供給され、スクリーン印刷や液体フォトソルダーレジスト(LPSR)法で基板に塗布・パターン形成されます。
- 液状ソルダーレジスト(LPSM):液状でスクリーン印刷後に露光・現像してパターン形成
- ドライフィルムソルダーレジスト(DFSM):フィルム状で基板に貼り付けて露光・現像
業界での存在感:太陽ホールディングス
ソルダーレジストを扱う企業として、太陽ホールディングス(旧:太陽インキ製造)が有名です。ソルダーレジストのテレビCMも放映しており、宇宙空間をモチーフにした印象的な映像で広く認知されています。太陽ホールディングスは世界シェアトップクラスのソルダーレジストメーカーです。
レジスト(フォトレジスト)とは
一方「レジスト」は、半導体製造の文脈ではフォトリソグラフィ工程で使用される感光性材料(フォトレジスト)を指します。「レジスト」と「フォトレジスト」は同じ意味で使われます。
フォトレジストの役割
フォトレジストは、光(露光)に反応して溶解性が変化する材料です。半導体の微細なパターンを形成するフォトリソグラフィ工程の中核を担います。
フォトリソグラフィの基本的な流れ:
- ウエハ表面にフォトレジストをスピンコートで薄く塗布
- フォトマスク(回路パターンが描かれたマスク)を通して光(ArF・EUVなど)を照射(露光)
- 現像液でレジストを溶かし、パターンを形成(現像)
- エッチングや成膜でウエハを加工
- レジストを剥離(アッシング・ストリップ)
ポジ型とネガ型
フォトレジストには2種類あります。
- ポジ型レジスト:光を当てた部分が現像液に溶ける。マスクパターンがそのまま転写される。現代の先端半導体プロセスで主流
- ネガ型レジスト:光を当てた部分が硬化し、光が当たらなかった部分が溶ける。マスクパターンと反転したパターンが形成される
半導体の微細化とレジスト技術
半導体の配線が細くなるにつれて、より短波長の光(ArF:193nm、EUV:13.5nm)が使われるようになり、それに対応したレジスト材料の開発が進んでいます。EUV(極端紫外線)リソグラフィ対応のレジストは、現在の最先端プロセス(3nm・2nmクラス)で欠かせない材料です。
ソルダーレジストとフォトレジストの比較
| 項目 | ソルダーレジスト | フォトレジスト(レジスト) |
|——|——————|—————————|
| 使用箇所 | プリント基板(PCB) | 半導体ウエハ |
| 目的 | はんだ付け保護・絶縁 | 微細パターン形成 |
| 最終的な扱い | 基板上に残り続ける | 工程後に除去される |
| 材料 | エポキシ系・アクリル系 | 化学増幅型レジストなど |
| 代表メーカー | 太陽ホールディングス等 | JSR・東京応化・信越化学等 |
まとめ
- ソルダーレジスト:プリント基板上でのはんだ保護用マスク材料。工程後も基板上に残る
- フォトレジスト(レジスト):半導体ウエハの微細パターン形成に使う感光性材料。工程後に除去される
半導体という文脈で「レジスト」と言えばフォトレジストを指すことが一般的です。ソルダーレジストはプリント基板(実装)側の材料として区別して覚えておきましょう。














