半導体プロセス

半導体に急速に熱を加えるRTA(アール・ティー・エー)とは

RTA

半導体プロセスには、半導体ウエハに熱を加えることが欠かせません。

なぜなら、半導体ウエハに狙い通りのPN接合(不純物の拡散層)を作るためです。

RTA(Rapid Thermal Annealing) 拡散炉
熱処理温度 600-1000℃ 1000℃以上
処理方式 半導体ウエハ1枚ずつ熱をかける 半導体ウエハにまとめて熱をかける(バッチ方式)
昇温速度 すごく速い 普通(RTAより遅い)
パーティクル(異物)問題 異物があっても、比較的問題にはならない 異物があると、炉内のウエハまとめて汚染される可能性があり、危険
スループット(装置の処理能力) 低い 高い

 

RTA装置のランプ源は、タングステンフィラメントかアークランプであることが多いです。

RTA装置の炉は、石英やSiC、ステンレス、アルミニウムなどで構成されています。

RTA装置内のウエハの温度は、光学パイロメータで測定されます(赤外線放射を測定するもの)。

RTAの注意点

RTAは非常に速く(100-300℃/sec)昇温するので、半導体ウエハ中に欠陥が発生することがある。

急激な熱変化は、ウエハ内に熱傾斜を作り出し、熱による歪によってウエハ内にスリップ転位といった欠陥が発生することがあります。