スマートフォン向けCMOSイメージセンサーランキング2024|フラッグシップ搭載センサーを比較


スマートフォン向けCMOSイメージセンサーランキング2024|フラッグシップ搭載センサーを比較

スマートフォンカメラの性能はセンサー性能でほぼ決まります。同じAIソフトウェア・同じレンズがあっても、センサーが違えば根本的な画質は変わります。本記事では2024年のフラッグシップスマートフォンに搭載された主要CMOSイメージセンサーをランキング形式で比較し、それぞれの技術的特徴を詳しく解説します。

スマートフォン向けセンサーを評価する指標

センサー性能は単純な画素数だけでは測れません。以下の指標を総合的に評価する必要があります。

  • センサーサイズ(物理的な大きさ):大きいほど集光量が増え、暗所性能・ダイナミックレンジが向上する根本的な指標
  • 画素ピッチ(μm):1画素あたりの物理サイズ。大きいほど1画素あたりの感度が高くノイズが少ない
  • 画素数(MP:メガピクセル):解像度の指標だが、多ければよいわけではない
  • 読み出し速度(fps):動画や連射性能に直結。積層型センサーで大幅改善
  • ダイナミックレンジ(dB):明暗差の広い場面での白飛び・黒つぶれのしにくさ

フラッグシップスマートフォン搭載センサーランキング2024

順位センサー型番メーカー搭載機種例センサーサイズ画素数
1位IMX903SonyiPhone 16 Pro(推定)1/1.14型4800万画素
2位IMX989SonyXiaomi 13 Ultra、OPPO Find X7 Ultra1型(大型)5000万画素
3位IMX890SonyXiaomi 14 Ultra補助、各社ミドル〜ハイ1/1.56型5000万画素
4位ISOCELL HP2SamsungGalaxy S23 Ultra1/1.3型2億画素
5位ISOCELL GN3SamsungGalaxy S23/S24補助カメラ各種1/1.56型5000万画素
6位IMX800SonyHuawei Mate 50 Pro、各種中国フラッグシップ1/1.49型5000万画素
7位ISOCELL HP3SamsungGalaxy S24シリーズ、各社超高画素機1/1.4型2億画素
8位OV50HOmniVisionVivo X90 Pro、OnePlus 111/1.49型5000万画素
9位IMX766SonyOPPO・OnePlus・Realmeの多数機種1/1.56型5000万画素
10位ISOCELL JN1Samsung多数のミドルレンジ機種1/2.76型5000万画素

注目センサー詳細解説

1
Sony IMX903(推定型番)
Sony Semiconductor Solutions / Apple iPhone 16 Pro向け
センサーサイズ:1/1.14型 / 4800万画素

AppleのiPhone 16 Proシリーズのメインカメラに搭載されたソニー製センサー(一部推定含む)。ソニーの最新2層トランジスタ画素(2TG)技術を採用し、飽和信号量の大幅向上によりダイナミックレンジと低照度性能が前世代比で著しく改善されています。Appleの専用信号処理エンジンとの組み合わせで、Computational Photography機能を最大限に引き出す設計がなされています。

センサーサイズ1/1.14型
画素数4800万画素
画素ピッチ1.22μm(ビニング前)
構造積層型BSI
AF方式全画素PDAF
動画4K/120fps対応

2TG技術積層型Apple専用チューニング

2
Sony IMX989
Sony Semiconductor Solutions / Xiaomi 13 Ultra / OPPO Find X7 Ultra等
センサーサイズ:1型(約13.1mm×9.6mm) / 5000万画素

スマートフォン向けとしては最大クラスの「1型」CMOSセンサー。コンパクトデジカメと同等のセンサーサイズを実現し、スマートフォンカメラの物理的限界に挑んだ製品です。Xiaomi 13 Ultraへの搭載で一躍注目を集め、ライカとの共同チューニングにより圧倒的な背景ボケ・高感度性能を実現。1型センサーは光学的に優位ですが、スマートフォンに搭載するための薄型化・光学設計が難題であり、カメラバンプが大型になります。

センサーサイズ1型
画素数5000万画素
画素ピッチ3.2μm(ビニング後)
構造積層型BSI
絞りf/0.9〜f/4.0(可変絞り)
特徴超大型センサー

1型センサーライカチューニング最高画質志向

4
Samsung ISOCELL HP2
Samsung LSI / Galaxy S23 Ultra搭載
センサーサイズ:1/1.3型 / 2億画素

世界初の量産2億画素スマートフォン向けセンサー。2億という画素数は印刷・ポスターサイズでも高精細な画像を出力できるレベルです。明るい環境では2億画素の全解像度撮影、暗い環境では16画素合算(Tetra²-pixel)による高感度撮影に切り替わります。ただし2億画素の生データはファイルサイズが巨大(数十MB)であり、処理負荷も高いため、実用的にはビニング後の1250万〜5000万画素での使用が中心となります。

センサーサイズ1/1.3型
画素数2億画素
画素ピッチ0.6μm
ビニング4×4=16画素合算
構造積層型BSI
AF全画素PDAF

2億画素Tetra²-pixel

センサーサイズと画質の関係

「センサーサイズ>画素数」の原則:
カメラ性能において、センサーの物理的な大きさは画素数よりも根本的に重要です。大きいセンサーは①より多くの光を集められる②1画素あたりのサイズが大きくとれる(高感度・低ノイズ)③光学的に大きなボケが得られる——という3つの物理的優位性を持ちます。IMX989の「1型」はJN1の「1/2.76型」に比べてセンサー面積で約6倍。この差はソフトウェアではどうにもならない物理限界です。

まとめ

2024年のスマートフォン向けCMOSセンサー市場は、ソニーのIMXシリーズが品質面でリードを維持しながら、SamsungのISCELLが高画素・コストパフォーマンスで競合する構図が鮮明です。OmniVisionも着実に技術力を向上させており、中国スマートフォンブランドへの供給で存在感を高めています。今後のトレンドは「センサーサイズの大型化」と「AI処理とセンサーの統合」に向かうことが予想されます。