CMOSイメージセンサー画質性能ランキング|DxOMarkスコアと技術要素で徹底比較


CMOSイメージセンサー画質性能ランキング|DxOMarkスコアと技術要素で徹底比較

カメラの画質を客観的に評価する世界標準の指標として「DxOMark」スコアが広く参照されています。センサーの感度・ダイナミックレンジ・色深度・ノイズ特性などを測定してスコア化するこの指標は、センサーメーカー・カメラメーカー・消費者が製品を比較する際の共通言語となっています。本記事ではDxOMarkスコアの読み方と、上位センサーの技術的特徴をランキング形式で解説します。

DxOMarkセンサースコアの3つの指標

色深度(Portrait)
センサーが再現できる色の微妙な違いを測定。単位はビット。値が高いほど人肌・空・植物の色を豊かに表現できる。24bit以上が高品質とされる。
ダイナミックレンジ(Landscape)
同一シーンで捉えられる明暗の幅を測定。単位はEV(露出値)。晴天の風景・室内の窓外など明暗差のある場面で白飛び・黒つぶれが起きにくい。
低照度ISO(Sport)
ノイズを許容範囲に抑えつつ使用できる最高ISO感度。単位はISO値。高いほど薄暗い体育館・コンサート会場での動体撮影に有利。
Overall Score
上記3指標を統合した総合スコア。センサーの総合画質能力の指標として広く参照される。スマートフォン・デジカメで別スケールで評価。

デジタルカメラ向けCMOSセンサー DxOMark上位ランキング

順位センサー(搭載機種)メーカーDxO Overall色深度ダイナミックレンジ
1位Hasselblad X2D 100Cソニー製センサー搭載
108点
26.8bit14.1EV
2位Fujifilm GFX100S(Sony IMX461採用)Sony IMX461
107点
26.8bit14.1EV
3位Sony A7R V(Sony製BSI CMOSフルサイズ)Sony
99点
25.9bit14.7EV
4位Nikon Z9(Sony製BSI積層型フルサイズ)Sony
97点
25.7bit14.7EV
5位Canon EOS R5 Mark II(Canon独自CMOS)Canon
96点
25.4bit13.7EV
6位Nikon Z8(Sony製BSI積層型)Sony
96点
25.7bit14.2EV
7位Sony A1(Sony製積層型フルサイズ)Sony
95点
26.0bit13.6EV
8位Panasonic S5 II(Sony製センサー)Sony
93点
25.1bit14.2EV
9位OM SYSTEM OM-1 Mark II(Sony製MFT)Sony
89点
24.2bit12.8EV
10位Ricoh GR IIIx(Sony製APS-C)Sony
87点
24.0bit14.4EV

ランキングから読み解けること

1
中判センサーは依然として最高画質
Sony IMX461(Fujifilm GFX100S、Phase One等搭載)
DxO Overall 107点

センサーの物理サイズが最大の「中判(ラージフォーマット)」センサーはDxOスコアでも最高位を占めます。43.8mm×32.9mmという広大な受光面積は、物理的に他フォーマットに勝る光量と低ノイズを生み出します。Fujifilm GFX100S・Hasselblad X2D 100Cなどに搭載されるSony IMX461は解像度1億200万画素・ダイナミックレンジ14EV超を実現。主にスタジオ撮影・風景写真・商業印刷用途で活用されます。

1億画素14EV DR中判最高峰

2
フルサイズ積層型センサーが高速性と高画質を両立
Sony A1搭載センサー(5,010万画素積層型BSI)
DxO Overall 95点 / 連写30fps対応

フルサイズセンサーの中でも積層型CMOSを採用した製品は、高画質に加えて高速連写・動画性能で優れます。ソニーα1(A1)は5010万画素の積層型センサーにより、最大30fps連写・4K/120fps動画・電子シャッター使用時の歪みゼロを同時実現。スポーツ・報道・ウエディングなど幅広いプロユースに対応します。DxO Overall 95点は積層型の高速性と引き換えにわずかに中判・非積層フルサイズに劣りますが、実用的な差ではありません。

積層型フルサイズ30fps連写プロ実用No.1

3
Canon独自BSI CMOSセンサーの台頭
Canon EOS R5 Mark II搭載センサー(4500万画素積層型BSI)
DxO Overall 96点

長年センサー製造でソニーに後れを取っていたキヤノンが、EOS R5 Mark IIで積層型BSI CMOSを独自開発し投入。DxO 96点という高スコアを達成し、ソニーA7R Vと競合する水準に到達しました。デジタルカメラ向けセンサーにおいてソニー以外の独自開発センサーが本格的に競争できる水準になったことは業界の大きなニュースです。今後のキヤノン・ニコンのセンサー内製化の動きが注目されます。

Canon独自積層型ソニーと競合水準

「スマートフォン」と「デジカメ」のセンサー画質差はどれくらいか?

センサーサイズ比較(面積):
中判(GFX100S):約1,441mm² ← 最大
フルサイズ(35mm):約864mm²
APS-C:約370mm²
1型(スマートフォン最大級):約116mm²
1/1.3型(Samsung HP2):約72mm²
1/2.76型(ミドルレンジスマホ):約18mm²

スマートフォン最大級の1型センサーでもフルサイズの約1/7の面積。物理的な光量差はソフトウェアでは補いきれない部分が残ります。ただし計算写真(コンピュテーショナルフォトグラフィ)の進歩により、日常撮影では差が縮まりつつあります。

まとめ

DxOMarkスコアを見ると、上位はほぼすべてソニー製センサーが搭載された機種で占められており、センサー供給で圧倒的な存在感を持つことが改めて確認されます。一方でキヤノンが独自積層型センサーで追撃を始めており、今後のデジカメ向けセンサー競争が活発化する予兆を感じさせます。センサーのハードウェア性能とAI処理の組み合わせが今後の画質競争の鍵となります。